User's Voice【NEXT BASE ATHLETES LAB】
千葉県市川市にて展開する、すべてのアスリート向けの“スポーツ科学R&Dセンター”
「NEXT BASE ATHLETES LAB」
VICONやフォースプレート、トラッキング機器などを使用した測定・評価およびトレーニングの提供を行っています。
今回は、ディレクターを務める 神事 努様へインタビューさせて頂きました。
どのような事業を行っているのか教えてください。
いくつかありますが、その根本となっているのはスポーツ科学を活用して、選手に上手くなってもらうということを念頭において事業を進めています。
今は大量のデータが取得できる時代になってきており、スポーツ科学の知見が非常に蓄積されてきています。
そのデータをトップアスリートだけでなく、一般の方にも広く使ってもらえるようなサービスを今いくつか事業展開しています。
今後の事業展開について教えてください。
2022年8月にNEXT BASE ATHLETES LABを立ち上げ、スポーツ科学を用いたパフォーマンス向上の拠点としました。このラボは主に野球を対象としたサービスを提供しています。
野球のパフォーマンスは技術が非常に重要ですので、動作分析を行うことで身体の「エネルギーフロー」を評価しています。
また、体組成計で筋肉量を計測したり、超音波エコーを用いて肘の靭帯の状況を確認するなど、様々な角度からアスリートを支援しています。
元プロ野球球団のストレングスのコーチも在籍しており、これら測定や評価から明らかになったことからトレーニングを処方しています。
このNEXT BASE ATHLETES LABを拠点に、「測定→評価→トレーニング」指導の流れが普及していけば良いなと思います。
少し先の話ではありますがここを出発点として、日本各地にATHLETES LABが建設されていくことが私の大きな目標です。
ラボを開設しようと思ったきっかけを教えていただけますでしょうか。
ここを開設する前から、プロ選手を含めたアスリートへの動作分析は行っていました。
しかし、計測の場所を借りたり機器を常設できなかったりなど不便を感じていました。
どこか拠点となる場所があれば、すぐに計測・評価・トレーニングが行えるのでいつか開設したいと10年以上前から考えていました。
昨今のスポーツ科学を活用した選手の能力開発のニーズの高まりやいろいろなご縁もあり、何とか開設することができました。
今後のラボの活用方法や展開はどのように予想されますでしょうか。
まずは、医療との連携を強めて行きたいと考えています。
野球は肘や肩の障害や腰痛など怪我の発生確率が高いスポーツです。
今は投球数制限が話題になっていますが、怪我をしにくいフォームがあることが少しずつ分かってきています。
さらに知見を集め、確固たる真実に辿り着くには、医師や理学療法士との連携は不可欠です。
今後は、そういった方たちと連携し、同じプロトコルを使用したデータを沢山集めていきそのデータを論文化したり、学会発表したりして学術的にも役立てていきたいと思っています。
弊社を知るきっかけを教えていただけますでしょうか。
私自身、学生時代に研究で使用していたのがVICONでした。
研究の対象が投球動作で特に指先の動きを計測したかったため、高い解像度とサンプリングが必要でした。
右も左も分からない中で、様々な面でインターリハに支援して頂いたのが一つのきっかけでした。
弊社についてのイメージ(商品や考え方)どのようにお持ちでしょうか。
VICONをはじめ、いくつかの計測機器を使用していますが社員の方たちの個性が豊かであると感じています。
分からないことがあってもきちんと回答して頂けますし、何よりも製品に誇りを持っていることが仕事に現れていると感じます。
私も製品について良く知る事ができ、製品を好きになるという事に繋がっています。
VICON導入のきっかけや今後の使用方法に関して、どのようにお考えでしょうか。
計測する内容が投球動作なので、高いサンプリング周波数、高解像度、反射マーカーの中心を追えているかというところがとても大事になってきます。そうなるとVICON一択でした。
ですから、代替の機種が他にはないためVICONを利用しています。
座標データそのものは精度良く計測できるのですが、動作分析の結果をどのように選手に活用してもらうのかを考えなくてはなりません。
そこで、選手が理解できるように絵を使用したり、波形を見ながら身振り手振りでフィードバックを行っています。相手に合わせたフィードバックはまだまだ未熟で、これからの課題ですね。
神事 努
博士(体育学)。国学院大学人間開発学部健康体育学科准教授。元国立スポーツ科学センター研究員。ボールの回転軸の方向や回転速度が空気力に与える影響について明らかにした論文で、 日本バイオメカニクス学会優秀論文賞を受賞。北京オリンピックでは、女子ソフトボール日本代表のサポートを担当し金メダルに貢献。 2016年まで東北楽天ゴールデンイーグルスの戦略室R&Dグループに所属し、チームの強化を推進。
NEXT BASE ATHLETES LAB
〒272-0834 千葉県市川市国分6-7-11
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